
千川健一・坂本隆志
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原健太郎さんのケース
<弁護士 千川> はじめまして。
<原健太郎> こんにちは。はじめまして。 よろしくお願いします。
<弁護士 千川> はい、それでは、午後5時12分から、弁護士による、法律相談を始めたいと思います。よろしいですか?
<原健太郎> はい。宜しくお願いします。
<弁護士 千川> はい、先ず債権者一覧表を作成して頂きましたが、アイフル、武富士がそれぞれ2件に分かれていますね。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> そして、片方の金額が空欄になっています、これは、どういう意味ですか?
<原健太郎> 武富士のほうは増額した日がはっきりしていましたので、
<弁護士 千川> はい。
<原健太郎> すべて書き込むために2欄に分けて書きました。
<弁護士 千川> ちょっとよく分からないのですが、債務額そのものは、書き込んであるものだけということでいいのでしょうか?
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 分かりました。財産については、特にめぼしいものはないということでよろしいですね。
<原健太郎> はい。車も所有してません。
<弁護士 千川> 誰かが、これらの債務の保証人になっているということはありますか?
<原健太郎> それも大丈夫です。
<弁護士 千川> 公正証書をとられていたり、判決をとられていているというようなことはありませんか?
<原健太郎> ありません。
<弁護士 千川> 分かりました。債務整理については、任意整理、個人再生、自己破産の3種類があることは知っていますか?
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> どの方法を希望されますか?
<原健太郎> 任意整理をお願いしたいです。
<弁護士 千川> 先ず、自己破産は避けたいということになりますか?
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 個人再生ではなくて、任意整理にしたいというのは特別な理由がありますか?
<原健太郎> 実は債務表には載せていませんでしたが
<弁護士 千川> ええ。会社からの貸付けですか
<原健太郎> いいえ。日本育英会です。
<弁護士 千川> その保証人に誰かがなられているのでしょうか?
<原健太郎> その保証人に母がなっています。母に迷惑をかけたくないのです。
<弁護士 千川> 育英会からの債務額はいくらでしょうか?
<原健太郎> 250万ぐらいです。無利子です。
<弁護士 千川> 毎月の返済額はいくらですか?
<原健太郎> 1万3千円くらいです。
<弁護士 千川> かなり低額ですね。
<原健太郎> はい。14年分割払いなので。
<弁護士 千川> 当事務所でも、育英会からの借り入れがある人で個人再生をした人が数人います。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> その方々は、保証人の名前で返済をしていくというかたちで育英会と話しをつけることで、うまく処理できました。任意整理でもいいのですが、、現在の債務額が、約325万円ですね。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> これが、利息制限法引直でどの位減るかは今の段階では分かりません、ただし、将来利息のカットはできると思います。それに弁護士費用が加わります。そうすると、325万円を3年間で支払うくらいの支払能力がないと任意整理は苦しいと見ておいた方がよいでしょう。
毎月の支払必要額は、約9万円です。原さんの、家計簿を見る限り、この金額は到底無理なように思われるのですが。
<原健太郎> 厳しいですね。 というか無理ですね。
<弁護士 千川> 現実は、直視しなければなりません。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 逆に、原さんは毎月いくらを債務整理の費用としてあてることが可能なのですか
<原健太郎> 3万から4万ぐらいでしょうか
もう少し払えるかもしれません。
<弁護士 千川> そうですか。仮に、4万円であるとすると3年間での支払総額は、144万円です。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 144万円の範囲に債務額が納まれば、任意整理でも債務整理できる可能性がありますが、
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> そうでないと、難しいということになるのですね。
<原健太郎> 分かります。
<弁護士 千川> 今の段階で、極端に債務額が減ることを期待し過ぎない方がいいでしょう。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 仮に、債務額が大きく減った場合には、任意整理にするというような、方針の建て方もできます。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> そうすると、現実的には、自己破産か個人再生かということになると予測されますが、自己破産を避けたい、一番大きな理由は何ですか?育英会のことでしょうか?
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 育英会は、金融機関ではないので、ある意味で金融機関ではありますが、 かなり柔軟な対応をしてくれますよ。つまり、自己破産をしたから、保証人に裁判を起こしたり、一括して支払い請求をすることは、先ずないと予測されることです。もし、育英会のことだけが気にかかるのでしたら、自己破産して、債務をなくしてしまえば、逆に育英会に対する支払のみに専心できますよね
<原健太郎> はい。しかし、こうなってしまった理由に
<弁護士 千川> ええ。
<原健太郎> ギャンブル等があげられますので
<弁護士 千川> 分かります。確かに、ギャンブルは免責不許可事由なのですが、裁判所は、そうした事由がある場合でも、広く裁量による免責を認めているのです。ですから、よほど酷い場合でない限り、免責が認められる可能性が高いと考えて良いです。
<原健太郎> 個人再生と自己破産の違いがいまいちよく分からないのですが。
<弁護士 千川> 個人再生は、自己破産と任意整理の中間的な債務整理です
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 原さんの場合であれば、100万円を3年間で支払って残りを免除ということになります。ただし、任意整理と違って、裁判所の手続となります。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> ですから、官報の公告などもあります。官報による公告ですね。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 原さんが、もし破産だけはしたくないという心情を非常に強く持っているのであれば、それは、それで尊重します。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> ただし、破産に対する誤解を前提として、破産を避けようとしているのであれば私としては、原さんに十分に理解してもらった上で判断してもらいたいと考えるわけです。
<原健太郎> 本心ではあまり破産はしたくありません。
<弁護士 千川> ただし、個人再生の場合には、破産よりも100万円余分に支払うことになりますがそれは、良いのですか。
<原健太郎> こういうことを聞くのは変なのですが
<弁護士 千川> ええ。
<原健太郎> 破産と再生で社会的に何か違いはあるのでしょうか
<弁護士 千川> 法的な違いについては、先ず、破産開始決定が下されてから、免責決定が確定するまでの、約半年間保険外交員、弁護士等の資格 について、制限が生じます。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> しかし、免責確定後はそういう制限はありません。次に、社会的評価の問題ですが、 破産申立をした人は、破産者と呼ばれます、
再生を申し立てた人は、再生債務者と呼ばれます。再生債務者の方の社会的な認知度は非常に低いです。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> つまり、破産という制度については、ほとんどの人が知っておりそれに対する消極的な評価も歴史的な経緯もあり、なされています
これに対して、再生債務者については、ほとんど社会的な評価がないという感じてすね。 私の言っている意味分かりますか?
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> つまり、再生債務者とか、個人再生をした人と言っても、「それ、なーに」という感じだということです。破産者に対する、消極的な評価については、原さんも、実感としてあるのではないのですか?
<原健太郎> ものすごくあります。
<弁護士 千川> 実際には、破産したことを他人に知られる可能性は非常に少ないのですが、可能性として皆無ではありません。官報に公告もされますので。
そのことも含めて、破産したくないという決意が非常に固いのであれば
<原健太郎> 一生付いて回るようなイメージがあります。
<弁護士 千川> 個人再生の方向で検討したいと思いますが。いかがですか?
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> では、個人再生ということで検討することにいたしましょう。
<原健太郎> はい。 お願いします。
<弁護士 千川> そちらに、「自己破産・個人再生申立時期と積立金シート」という資料は届いていますか?
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 先ず、弁護士費用の説明をさせて頂きます。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 弁護士費用には、主なもので着手金、報酬金、実費、出張日当があります。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 着手金、報酬金の計算方法は、債務額×0.04+債権者数×1という式で計算します。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> そうしますと、325×0.04+7=13+7=20で、着手金、報酬金は各20万円(消費税別)となります。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 個人再生については、裁判所によって審問があるかないか、ある場合に、代理人弁護士の出頭も必要か否かが違うのです。原さんの管轄裁判所では、現在審問は設けられていません。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 従って、私がそちらの裁判所に行くための交通費や出張日当はかかりません。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> ただし、こうした運用は、裁判官が交替すると変更されることもあります。その場合には、出張日当は、5万円(消費税別)がかかります。
<原健太郎> 可能性はあるのですか?
<弁護士 千川> そうした変更の可能性については、特に情報は入っていません。しかし、裁判官次第というのが実情なのです。
<原健太郎> 分かりました。
<弁護士 千川> では、ボールペンなどの書くものを用意して下さい。
<原健太郎> 準備しました
<弁護士 千川> 着手金のところに、210、000円と書いて下さい。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 実費のとろこに、50、000円と書いて下さい。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 合計 260、000円と書いて下さい。
<原健太郎> 書きました。
<弁護士 千川> 少し飛んで、総費用は報酬金 金 以下のところに、210、000円と書いて下さい。
<原健太郎> 書きました。
<弁護士 千川> ええ。 併せて、合計 470、000円 と書いて下さい。
<原健太郎> 書きました。
<弁護士 千川> はい。先程、毎月の支払可能額については、4万円以上であっても可能という話しもでましたが、固いところではいくらが可能ですか?
<原健太郎> 育英会のこともありますのでやはり4万円です。
<弁護士 千川> 分かりました。いつから積立が可能ですか?
<原健太郎> 7月の給料日10日からでどうでしょうか?
<弁護士 千川> 少し遅いですね。何か理由があるのですか?
<原健太郎> いえ、すみません。 急な展開だったので
<弁護士 千川> 6月が無理な理由はなにかあるのですか?
<原健太郎> 少し不安に思ってしまいました。
<弁護士 千川> 何が不安なのでしょうか?結局、個人再生というのは、 毎月安定した支払ができるかどうかにかかわってくるのです。
<原健太郎> もう大丈夫です。6月10日からきちんと積み立てます。
<弁護士 千川> 分かりました。 個人再生の申立時期については、先程の26万円(着手金と実費の合計額)が、積み立てられた段階で準備して、翌月の申立となります。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 毎月4万円を順調に積み立てて頂ければ、今年の12月に28万円となります。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 従って、12月に準備をして、来年の1月に申立というスケジュールになります。
<原健太郎> 分かりました。
<弁護士 千川> 失礼、12月の積立額は30万円でした。申し立ててから、再生計画が認可されるまで平均的には、半年間かかります。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> そうすると、認可決定時は来年の6月ということになります。
<原健太郎> それから支払いが始まるのですね。
<弁護士 千川> いえ、まだです。 翌月に認可決定が確定します。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> そして、確定した月の3ヶ月後から支払が開始します。つまり、来年の10月ですね。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> その時点で、当事務所に積み立てられた金額は68万円となります。うち、47万円が弁護士費用となりますので、差額、21万円は弁済に使うことができる費用ということになります。
さて、給与所得者等再生、小規模個人再生については理解されていますか?
<原健太郎> 少しだけネットで勉強しましたが 確実に理解はしてないと思います
<弁護士 千川> 説明した方がよろしいですか?
<原健太郎> はい。お願いします。
<弁護士 千川> いずれの場合も、将来継続的に収入が見込まれることが要件になります
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 給与所得者等再生の場合には、それに加えて収入が定期的であることそして変動が少なく安定していることが必要です
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 原さんは、いわゆるサラリーマンですね。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 歩合給とかの割合が多いということはありませんね。
<原健太郎> ありません。
<弁護士 千川> であれば、給与所得者等再生を利用することができます。もちろん、小規模個人再生も利用できます。共通の条件として債務額の5分の1以上を返済するということになりますが、債務額が500万円以下の場合には、100万円が計画弁済総額の最低額となります
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> そして、給与所得者等再生の場合には、可処分所得の2年分以上という条件も加わります。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 可処分所得とは、収入のうち自由に使えるお金はいくらか、、ということです
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 収入から、税金、社会保険料などがまずひかれます。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> そして、法令で定めた、一人当たりの生活費などを控除した残りの金額を算出するのです。この可処分所得算出シートは、後ほど原さんに送ります。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> そして、結果として出た可処分所得の2年分は、約212万円とやや高額になっています。ですから、給与所得者等再生を利用する場合には、先程の100万円とこの可処分所得の2年分の多い方を返済しなければなりませんので、計画弁済総額は212万円となります。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> このように、可処分所得の2年分が高額となってしまう場合には、小規模個人再生を利用することがよくあります。小規模個人再生では、債権者の反対決議があります。
<原健太郎> 何か違いはありますか?
<弁護士 千川> 例えば、100万円を3年間で支払うという再生計画を裁判所に提出して、債権者がその再生計画に反対の場合には、反対票を裁判所に投じます。しかし、ほとんどの債権者は反対せず、当事務所の多数の申立事例においても債権者の反対を受けて、認可されなかった案件は一件もないこと計画弁済総額を最低額としても、債権者は反対しないこと、以上の傾向が認められます。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 従って、100万円(最低額)を3年間で支払うという再生計画を提出しても、債権者から、反対を受けて手続が廃止される可能性は極めて低く、認可される可能性が極めて高いということになります。
<原健太郎> 両者の違いは、反対決議が取られるか否かということですか?
<弁護士 千川> そうです。給与所得者等再生では反対決議がありません。
<原健太郎> 分かりました。
<弁護士 千川> しかし、その分返済額が高額になってしまいます。私は、小規模個人再生にして100万円を支払うという再生計画でいかれるのが、良いのではないかと思います。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 消費者金融が多いのですが、消費者金融は、反対しない傾向が強いです。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> はい、それゆえ100万円を3年間で支払うという内容の再生計画を認可された場合には 毎月3万円程度の支払で足りることになります。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> ただ、現状4万円が目一杯なのであれば、もう少し、再生計画期間を延ばした方がいいかもしれません。最長5年まで可能です。このあたり、今後の積み立て状況、ご自分の家計の管理などをみて申立前に、決めることにしましょう。
<原健太郎> 分かりました。
<弁護士 千川> 一点、クリアしなければならない問題があります。
<原健太郎> なんでしょうか?
<弁護士 千川> 私は、少し勘違いをしていたようです。育英会の債務は、250万円だとおっしゃってましたよね。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 総債務額は、570万円となりますね。
<原健太郎> そうなります。
<弁護士 千川> ですから、再生計画は114万円ということになります。
<原健太郎> 育英会も入るのですね。
<弁護士 千川> 入ります。
<原健太郎> わかりました。
<弁護士 千川> 育英会が入る分、他の債務の支払割合が減るので、原さんにとっては、むしろ有利ではないですか。それで、先程申し上げたクリアすべき問題の方に移りますが、
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 申立をしてから、通常1ヶ月以内に再生開始決定が下されます。この再生開始決定があってからは、債権者に対して一切返済してはいけないことになります。育英会も含みます。できれば、再生手続が終了するまでの約半年間は、お母さんに支払ってもらいたいのですが、可能ですか?
<原健太郎> できればそれは避けていただけないでしょうか?
<弁護士 千川> 避けるとすれば、申立前までに、お母さんにお金を渡しておいて、それをお母さんに支払ってもらうという方法も考えられますが
<原健太郎> 母に分からないようにできませんか?
<弁護士 千川> あるいは、育英会に向こう半年間の返済金を前払いするとかですね。あまり好ましい方法ではないのですが
<弁護士 千川> 原さん、
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 少し、腹をくくってくれませんか。何もかも、無事に収められると限りませんよ。知られたくない人に知られて、土下座して謝るくらいの覚悟があれば、何とかなるんじゃないんですか?その覚悟が足りないように思いますが。そういうことだと、同じような問題が起きたときに、嫌なことからまた逃げてしまうような人になるような気がします。
<原健太郎> 半年先払いでどうでしょうか。
<弁護士 千川> 私も、これまで多数の債務整理事件を扱ってきたから分かるんですが、私の言いたいことは分かりますか?
<原健太郎> すみません。続けてください
<弁護士 千川> 半年先払いが可能なんですね。
<原健太郎> はい。7月にボーナスが入りますので
<弁護士 千川> 分かりました。そういうことにしましょう。
<原健太郎> ありがとうございます。すみません。
<弁護士 千川> いいえ。ただね、こうした事件を扱っていると、依頼者の方々の共通項があることを痛感することがあるんです。それは、嫌なことからついつい逃げてしまうという習性ですね
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> これだけは、是非この機会に治してもらいたいんで、老婆心ながら言わせてもらいました。
<原健太郎> 今回の整理をきっかけにして
<弁護士 千川> ええ。
<原健太郎> 立ち直りたいという決意はすごくあります。
<弁護士 千川> そうして欲しいです。では、方針としては、原則として、小規模個人再生100万円を3年間で完済する再生計画。ただし、支払がきついようであれば、支払期限の延長を検討する。債務額が、150万円程度に減額されれば、任意整理も検討する。ということで、よろしいでしょうか。
<原健太郎> はい。お願いします。
<弁護士 千川> では、委任契約の締結にうつりたいと思います。債務整理委任契約書と報酬に関する説明書それに書くものを準備して下さい。
<原健太郎> はい。準備しました。
<弁護士 千川> 受理番号の欄に、それぞれ2477と書いて下さい。
<原健太郎> 書きました
<弁護士 千川> はい、それでは依頼者の欄に原さんのお名前をお書き下さい。
<弁護士 千川> どうされました?
<原健太郎> 依頼者の欄は最後の部分2箇所でしょうか?
<弁護士 千川> ごめんなさい、そこではなくて、委任契約書の冒頭の部分です
<原健太郎> 甲の括弧の中ですね?フルネームですか?
<弁護士 千川> そうです、仮のものですから 氏だけでも良いですよ。
<原健太郎> 氏を書きました。
<弁護士 千川> はい、この契約書では、原さんを甲、当事務所を乙と表記します
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 第1条 事件名のところに、個人再生事件の□ にレ点を書いて下さい。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 住宅資金特別条項適用の有無の、無し にレ点をお願いします。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 括弧欄に、両当事者の協議により変更できるとありますね。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> ですから、後になった任意整理に変更することは可能です。
<原健太郎> 分かりました
<弁護士 千川> (2) 相手方 アコム外7社575万円と記載して下さい。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 費用の計算のところで、育英会を含めませんでしたが、これは、原さんが将来育英会に対する債務を全額支払うつもりで実質的な債務整理の対象とされていなかったことに基づきます
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> (3) 委任の範囲 ?共通事項の説明にうつります。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 共通事項とは、どのような債務整理をする場合でも、行う業務を意味します。取引経過の開示請求は分かりますか?
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 利息制限法の引直計算はいかがですか?
<原健太郎> 理解はできますが自分でするには難しいと感じました。
<弁護士 千川> もちろん、こちらでやりますので安心して下さい。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 過払い金の返還請求はどうでしょうか?
<原健太郎> 分かります。
<弁護士 千川> 弁護士が介入通知を金融業者に送ると、金融業者は、直接本人に対して取立、催促ができなくなります。しかし、金融業者は裁判を起こすことまで禁じられていません。従って、裁判を起こされることがあり得ます。裁判が起こされた場合には、裁判所から原さんの自宅に書類が届きます。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 届いたら、コピーをとってコピーの方で結構ですので、当事務所に速達で送って下さい。同時に、電話でも連絡して下さい。
<原健太郎> わかりました。ちなみに過去に例はあるのですか?
<弁護士 千川> 裁判ですか?
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> もちろん、ありますよ。
<原健太郎> 今回はどうでしょうか
<弁護士 千川> ただ、裁判を起こす業者はわりと限られています。オリックス系やモビットが最近では積極的に裁判を起こしています。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> かつては、プロミスも盛んに裁判を起こしてきましだか、最近ではほとんどありませんね。裁判が起こされた場合の問題については、後ほどまた説明します。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 次に、任意整理について説明します。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 共通事項の他に、弁済条件の交渉を行います 分かりますね?
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 交渉がまとまれば、和解契約を締結します。弁済金の支払いの代行もします。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 次に、個人再生事件ですが、裁判所における再生手続の代理を行う、、ということに尽きます。あとは、弁済金の支払いの代行ですね。
<弁護士 千川> 第2条に行きます。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 私どもは、この業務を誠実に行わなければならないという当然の義務を負っています。
<弁護士 千川> 第3条に移ります。よろしいですか?
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> これに対して、原さんは費用の支払義務があります
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 1 費用については、報酬に関する説明書に定められているので、これを後ほど確認したいと思います。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 2 債務額や債権者数に変更が生じた場合には、費用の見直しがありますよ、という規定です。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 3は、関係ないのでとばします。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 第4条 費用を支払って頂けない場合には、仕事は中断しますよという規定です。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 第5条 1 毎月 金40、000円と記入して下さい。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 2 初回支払日を6月15日 以後毎月15日と記入して下さい。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 給料日が、10日だから、毎月15日でいいですね?
<原健太郎> はい。大丈夫です。
<弁護士 千川> 第6条の説明に移ります。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 原さんは、この契約をいつでも自由に解約することができます。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> しかし、解約した理由が当事務所に不手際があったというようなことでない場合には、解約した時点までに、私どもがした仕事に対する相当の報酬は支払ってもらいますよ、、という規定です。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 第7条に移ります。こちらは、私どもからの契約解除事由です
(1) 積み立てをして頂けない場合
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> (2) 行方不明、連絡不能の場合
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 私どもに対して、嘘の申告をされた場合
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 個人再生に必要な書類をいっこうに準備していただけない場合
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> (5) 委任契約を継続しがたい事由が生じた場合とありますが、委任契約は、信頼関係がベースになっています
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> お互いの信頼関係が保てなくなった場合には、契約関係を解消せざるをえません。そうならないためには、お互いにコミュニケーションをもつことが大切です。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 報酬に関する説明書に移ります。よろしいですか?
<原健太郎> はい。署名は必要ないですか?
<弁護士 千川> ええ、後ほど正式なものを送りますので、そちらの方に署名・捺印をお願いします。今、記入してもらっているのは、届いた契約書と、今打ち合わせている内容に齟齬がないことを確認できるようにするためのものです。
<原健太郎> 分かりました。続きをお願いします。
<弁護士 千川> 法律相談料が30分5250円であることは聞かれていますね。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> これは、今回のみにかかります。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 以後は、かかりりません。
<原健太郎> 分かりました
<弁護士 千川> ただし、相談内容が債務整理以外のこと(相続、交通事故)等である場合には、やはり、相談料が別途かかります。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 次に、第2着手金、報酬金の欄に、それぞれ210、000円と書いて下さい。
<原健太郎> 書きました
<弁護士 千川> 任意整理については、今回具体的な費用額を算出しませんでした
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 任意整理に方針が変更された時点で出したいと思いますが、大まかな金額だけ把握しておいて下さい
<原健太郎> 分かりました
<弁護士 千川> 着手金、及び和解報酬金は各21、000円が原則です。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> ですから、着手金147000円、和解報酬金も、147000円となります。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> ただし、原さんの場合には債務額に少ないものがありますのでもう少し安くなると思います。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 報酬金には、さらに減額報酬があります。減額金額の10パーセントです。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 仮に、100万円減額されたとすれば、消費税を加えて105、000円です。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 報酬に関する説明書 2(3) 再和解とありますね
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> これは、いったん和解したものの、途中で支払がきつくなったような場合に再度、和解した場合にかかる費用です。元々の金額の半分かかることになります。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 次に、3(6)をみて下さい。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 債務の期限延長とありますね
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 例えば、3年で100万円を支払うという再生計画が認可されたとします。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> ところで、途中で支払がきつくなった場合には、2年を限度として期限の延長を裁判所に申し立てることが可能です。この場合の費用を意味しています。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 次に、ハードシップ免責とありますね。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 認可された再生計画に基づき、一定限度は支払ったものの、病気等のやむを得ない事情で支払が困難になった場合に残りの債務を免除する手続なのです。この場合の費用となります。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 第3 過払い金返還請求に移ります。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 1 先ず、任意交渉により過払い金を取り戻した場合です。この場合には、取り戻した金額に対して15%が報酬となります。
消費税を加えると、100万円を取り戻した場合には、157、500円となります。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 次に、2は、任意交渉では決着がつかず、裁判となった場合です。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 着手金は、52、500円となります。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> ただし、過払い金額が、例えば20万円というように低額であるような場合には、着手金額を減額するような、弾力的な運用をしています。
<原健太郎> 分かりました。
<弁護士 千川> 報酬金は、回収額の20パーセントです。ですから、100万円を取り戻した場合には、21万円となります。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 第4 その他の費用等に移ります。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 1 先程、裁判が起こりえるという話しはしました。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 裁判が起きた場合には、若干ですが、費用がかかります。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 書類作成料 1枚1、575円、出廷日当 1時間 10、500円です。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 裁判が起きた場合には、原さんにどのような不利益があるか分かりますか?
<原健太郎> 正直わからないです
<弁護士 千川> 裁判が起きて、債権者から判決をとられると原さんの財産に対する差し押さえが可能となります。財産といっても、特にめぼしいものはなさそうなのですが、差押えの対象となりそうな唯一の財産は、給料となります。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> ですから、給料の差押を最も警戒する必要があることということになります。しかし、個人再生の申立をして、再生開始決定が得られると、債権者は一切の差し押さえをすることができなくなります。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> ということは、原さんにとっては、裁判が起こされて判決をとられる時期はできる限り遅い方が有利、個人再生の申立時期は早ければ、早いほうが有利ということが言えます
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 当事務所では、裁判が提訴され、差し押さえの危険が生じたような場合には早期申立を行っています。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> スケジュールによれば、原さんの申立時期は、来年の1月です。 しかし、裁判が起こされ、例えば9月頃に判決が下されるようであれば申立を8月に早めることで、給料差し押さえのリスクを回避するわけです。
<原健太郎> 早期申し立ては可能ですか?
<弁護士 千川> ええ、ただし条件があります。
<原健太郎> 何でしょうか?
<弁護士 千川> 約束の積み立てを必ず実行してもらうことです。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 次に、2に移ります。
<原健太郎> ちなみに今回可能性的にはどうでしょうか?
<弁護士 千川> どの可能性ですか?裁判ですか?
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 可能性としては、少ないと思いますよ。当事務所では、管理がしっかりしているので、債権者も信頼してくれているようです。つまり、個人再だから、裁判が少ないんです。
<原健太郎> そうですか。すみません。続きをお願いします。
<弁護士 千川> 内容証明郵便の費用が2に書かれていますね。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> これは、取引経過の開示を求めても開示してこないような業者に対して送付します。
<弁護士 千川> 次に、3に移ります。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 弁済代行手数料は、1件1、000円となっています。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 8件8000円×36=288、000円が振込手数料となりますが、個人再生の場合には、3ヶ月に1回の支払でいいので、96、000円となります。任意整理の場合には、さきほどの金額が予測されます。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> こういう部分でも、個人再生のメリットがあるわけです。もし、ご自分で3ヶ月に1回弁済をするのでしたら、この半額の48000円となります。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 4 の出張日当の欄には、52、500円と記載して下さい。
<原健太郎> 書きました
<弁護士 千川> もちろん、これは出張があればの話しです。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 第6 に移ります。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 1 印紙代等の実費は、すべて原さんに負担して頂きますよ、、、という規定です。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 2 報酬等には、消費税がかかっていますよ、、、という規定です。
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 以上で、契約書類の説明は終わります。
<原健太郎> ありがとうございました。
<弁護士 千川> さきほどの育英会の件ですが、
<原健太郎> はい
<弁護士 千川> 先ず、原さんに育英会に行って貰ったほうがいいと思います
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 育英会に対する具体的な説明手順については、のちほどこちらの方から書面にして送ります。
<原健太郎> お願いします。
<弁護士 千川> 何か、ご質問ありますか?
<原健太郎> ローンで買ったパソコンは
<弁護士 千川> それは、引き上げの対象です。いつ頃のモデルですか?
<原健太郎> 返却しなければなりませんか?
<弁護士 千川> それが原則です。
<原健太郎> 一年前です。
<弁護士 千川> いくらでしたか?
<原健太郎> 20万です。
<弁護士 千川> 微妙ですね。
<原健太郎> 仕事でどうしても必要なのですが・・・
<弁護士 千川> ただ、引き上げは覚悟しておいた方がよいでしょう。どうしても、それを避けたいのであれば、その債務についてのみ、債務整理の対象から外して申立前に完済することです。できますか?
<原健太郎> 後半年で、ということですね?
<弁護士 千川> そういうことになりますね。もちろん、申立を遅らせればいいのですが、その分、裁判のリスクも生じますね
<原健太郎> そうですね・・。仕事のためなので何とか計画をたてます。
<弁護士 千川> どの債権者ですか?
<原健太郎> 国内信販です。
<弁護士 千川> では、国内信販は、債務整理の対象から外しますが、よろしいですか?
<原健太郎> その場合、支払いは通常通り行うのですか?
<弁護士 千川> そういうことになりますね。
<原健太郎> パソコンの分だけでしょうか?
<弁護士 千川> いいえ、全額となります。
<原健太郎> クレジットも含めてということですよね。
<弁護士 千川> 支払い方法は、分けられているのですが? 同じ口座からの引き落としなのではないですか?
<原健太郎> 同じ口座からの引き落としです。
<弁護士 千川> そうすると、分けて支払うことができませんね。また、債権者は債務者から支払を受けた場合には、任意に充当する債務を決めることができることにな契約上なっています。ですから、パソコンの分のつもりとして支払ったとしても、別の分に充当されてしまうこともあるんです。
<原健太郎> はい・・・。過去に引きあげられた例はありますか?
<弁護士 千川> ありますよ。
<原健太郎> パソコンでですか?
<弁護士 千川> 結局、価値がなければやりません。でも、そのPCはまだ比較的新しいですよね
<原健太郎> はい・・・
<弁護士 千川> 市場でも、販売か可能なのではないですか?売れなければ、持って行きません。
<原健太郎> たぶん売れます。調べたことがないのでなんとも言えませんが。
<弁護士 千川> ということは、引き上げの可能性があるということになります。とりあえず、国内信販は債務整理の介入通知はしないことにします。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 原さんの方で、よく考えておいてもらえませんか?
<原健太郎> わかりました。
<弁護士 千川> 現在であれば、かなり低額なPCも出ていますし。引き上げられても何とかなるように思いますが。
<原健太郎> そうですね。
<弁護士 千川> 他に、何かありますか?後ほどでも、メールで質問することも可能ですので、
<原健太郎> 介入通知はすぐだしてもらえますか?
<弁護士 千川> ええ、直ぐに出しますよ。明日出します。
<原健太郎> わかりました。ではもう今のところありません。
<弁護士 千川> はい、契約書の方には一応国内信販も含めた債権者数で記載しておきます。
<原健太郎> お願いします。
<弁護士 千川> お疲れ様でした。
<原健太郎> ありがとうございました。 宜しくお願いします。
<弁護士 千川> それでは、午後8時20分を持ちまして、弁護士による法律相談を終わりたいと思います。
<原健太郎> はい。
<弁護士 千川> 事務スタッフに変わりますので、少々お待ち下さい。
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