第四部 自己破産・免責手続   03−3589−4905
5 免責審尋の実例
(1) 東京地方裁判所・同時廃止事件の場合
東京地方裁判所の6階626号法廷が免責審尋の会場になっており,入口前の廊下で審尋の受付が行われています。免責審尋を受ける人は,まず申立代理人と一緒に受付で出頭者カードを提出し,整理券を受け取って自分の順番を待ちます。東京地裁では破産の申立件数が多いので,626号法廷前の廊下は,多数の破産者と申立代理人弁護士がいて常時混雑しています。
自分の順番が来ると,「整理券番号○○○番から○○○番までの方は,626号法廷にお入り下さい」というアナウンスが流れるので,その指示にしたがって法廷室に入室します。
法廷の中では,整理券の番号順に法廷の原告席か被告席に入り,さらに自分の順番を待ちます。そして自分の順番が来ると,
裁判官「××××さんですね?」
破産者「はい。」
裁判官「陳述書の記載事項に何か変更等はありますか?」
申立代理人弁護士「特にありません。」
裁判官「わかりました。それでは退席されて結構です。」
というように、免責審尋では関係書類を十分に整えていれば、裁判官から直接質問されて何かを聞かれるというようなことはをほとんどありません。
(2) 東京地方裁判所・少額管財事件(個人)の場合
会場は,東京地方裁判所3階の債権者集会室。集会室の入口で受付を行い,順番が来ると裁判所の職員から「破産者○○さんとその関係者の方は,○番テーブルの方にお入り下さい」と指示があるので,指定されたテーブルに座ります。
各テーブルは,正面に裁判官席・書記官席と破産管財人席があり,左側に破産者と申立代理人席,右側に債権者席がありますが,債権者が金融業者のみであれば、出席する債権者は先ずいません。
こうした債権者集会に出席してくる債権者は、事業をやっていた破産者の買掛先か、あるいは個人である場合がほとんどです。
裁判官「それでは第1回債権者集会を始めます。破産管財人,破産財団の状況を御報告下さい。」破産管財人「・・・(報告内容省略)・・・。」
裁判官「申立代理人,何かご異議などはございますか。」
申立代理人弁護士「特にございません。」
裁判官「わかりました。では,本件破産事件は破産手続の費用を賄うに足りないことが明らかになりましたので,本日をもって異時廃止といたします。続いて,免責の審理に移ります。破産管財人,破産者の免責についてのご意見をお願いします。」
破産管財人「破産者には○○という免責不許可事由がありますが,裁量免責が相当であると思料いたします。」
裁判官「わかりました。では,今日から1ヶ月間を債権者の異議申立期間とし,その間特に異議がなければ,いまの破産管財人の意見を参考にし,裁判所の方で破産者を免責するかどうかの決定を行います。それでは,本日の手続を終わります。」
債権者が出席しない、債権者集会で、特に問題がない場合であれば、同時廃止における免責審尋と同じように、非常に短時間で終わるのが通常です。
(3) その他の裁判所の場合
東京地方裁判所以外の裁判所の場合,同時廃止事件では,1回あたり10数名から数十名程度の破産者が程度裁判所の交通事件室などに集められ,裁判官が5分から10分くらい話をして免責審尋手続が終わる,いわゆる「集団免責審尋」の方式を採るところが多くみられます。
話の内容は裁判官によって様々で,純粋に手続の説明等だけをする裁判官もいれば,お説教をする裁判官もいます。
もっとも,裁判所によっては破産者を個別に呼び出して審尋手続を行うところもありますが,よほど問題のある事案でない限り,裁判官に怒られたり長々とお説教されたりすることはあまりありません。
また,さいたま地方裁判所越谷支部のように,あらかじめ破産者に家計簿をつけさせ,免責審尋のときにそれを持参させている裁判所もあります。
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