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第五十一便 (H17/12/29) 担当 太田
風・・・
早いもので2005年もあとわずか、今年最後のお便りです。例年になく寒さ厳しいこの年の瀬、そろそろインフルエンザ流行の兆しが見えています。皆様くれぐれもうがい手洗いをお忘れなく。
先日週刊誌を見ていたら、紅白歌合戦が今年で最後になるかもという記事がありました。
私の世代、紅白といえば一年を締めくくる特別な儀式というふうに骨の髄まで刷り込まれていますからこれは大事件です。
全国津々浦々同時進行で共有できる国民的娯楽としての役割はとっくの昔に終わっているといえ、大晦日に紅白がない、という喪失感は、明治生まれの祖父母が亡くなった時のそれにも似て、もうただしんみりするしかありません(まあガセネタかもしれません)。昭和は遠い昔になりにけり、です。
まだ観ていませんが、「三丁目の夕日」という邦画がヒットしています。
昭和30年代の東京をきっちり再現しているらしいこの映画、間違いなく私の琴線に触れること確実なだけに、観るのが恐いような気がします。
私にとって昭和30年代の町並みや風俗はまさに原風景・心のふるさとなので、その空気感が映画のそれに取って代わられるような気がしないでもなく、土足で部屋に入られたらなんだかなあどうしよう、というような青臭い恐れがあるのです。
この映画において昭和30年代は、貧しいけど希望に溢れた時代として、大人と子供、男と女、先生と生徒等、人の在りようがまだまだ単純明快だった時代として、古き良き日本人の時代として、期待にそぐわず申し分なく描かれているに違いありません。もちろん私の原風景にもそんな空気感がそこはかとなく充満していますが、しょぼくれた老犬の表情のような、臭うような情けなさが、果たして作られた画面に十分足りているでしょうか。
「原風景の空気感」、人は誰も原風景から時折肌をふるわせるように吹き抜ける風を感じているに違いなく、その風が人をよくも悪くも生かし続けるのだと思います。この風をかけがえののないものと感じられる私はつくづく幸せ者というほかありません。
さて紅白歌合戦、家族と共に過ごした大晦日の記憶として、間違いなく大方の日本人の原風景のひとつです。
古くからの儀式や行事には、ただ単に続いてきたというだけで、それなりの意味を担ったものも沢山あるはずです。改革・改革とヒステリックに叫ばれる昨今、壊すべきもの、守るべきものの精査は十分にしてほしいと思うこの年の瀬です。
では皆様よいお年を。また来週!!

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