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第六十二便 (H18/3/16) 担当 太田
赤いビル・・・
ヤフーのニュースを見ていたら、千鳥ヶ淵のほとりに建つ赤いビルが景観にそぐわないという理由で、地域住民がビルの塗り替えを環境大臣に陳情したとありました。
このビル、イタリア政府所有の「イタリア文化会館」という建物で、設計は同国の著名な建築家、壁面に陶器の赤を表現したとのことです。
陳情を受けた環境大臣、現場を視察して曰く、「本国イタリアではこんな建物建てられないのではないか。」と筋違いの物言いで、なんだかこのビルをゲテモノ扱いです。
確かに紀元前の建物に今も人が住んでたりするローマにこんなビルが建つことはあり得ないかもしれません。
しかし、日本をなんでもありの国にしたのは紛れもなく戦後自由を錦の御旗に掲げた政党をひたすら頭に据え付けてきた私たち日本人、いまさら景観が云々などとなんだかちゃんちゃらおかしいなあ。
日本の町並みは途方もなく過剰な様式・色彩・音響で溢れかえっています。その混沌・無秩序・軽薄さこそがリアルな日本ととらえれば、件の建築家の遊び心も理解できます。
イタリア的な色彩感覚で日本の建築物を造ったらこうなりましたというわけで、妙に重厚だったり枯山水だったりするよりずっといいなと思いませんか。
件の建築家は抜けるような青い空と皇居の緑を前に、「これはもう赤だよなあ」と思ったに違いありません。くっきり明るい色彩に対比させないと皇居の緑がくすんでしまいます。これを景観に対する配慮といわずしてなんというのでしょうか。
ヨーロッパの美が全体がくすんだ統一感にあるとすれば、日本の美はその対極にあるとこの建築家は鋭くも看破したのです(以上勝手な想像です)。
整然とした景観のニュータウンや公園が自分の居場所としてどうもしっくりこない、堪能すべき景観(ヨーロッパ的景観)は高い料金を払って拝むものというのが大方の日本人、景観を自分の所有財産のごとく主張する感性は少なくとも私からは最も遠いものだなあ、と不詳太田このニュースを見てつくづく思いました。
さてこのビル、下世話な代物と見ればそう見えてきますし、件の建築家の天真爛漫な感性を想像すると、いかにも人間の血の通った建築物に見えてきます。しかしなによりもこのビルは(赤いビルでいる限り)、お堀を隔てて軽薄とは完全に無縁な精神が日本の真ん中に据付けられていることを無言で私たちに語りかけてくれやしないでしょうか。
千鳥ヶ淵といえば桜、お花見シーズン近づいてまいりました。高知ではもう開花したとのこと。春ですね。また来週!!

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