第五部 個人再生   03−3589−4905
2 小規模個人再生
小規模個人再生手続を利用できるのは,破産の原因が生じるおそれのある者のうち,住宅資金特別条項を定める債権以外の再生債権の金額が5000万円を超えない,継続的に又は反復した収入を得ることができる個人の債務者です。
小規模個人再生は,主に個人事業者を念頭に置いて設けられた手続であり,通常の民事再生手続と比較すると,貸借対照表の作成・提出が免除され,監督委員が選任されないなど,かなり手続が簡略化されています(ただし,裁判所によっては個人再生委員を選任するところがあり,その場合には個人再生委員の報酬(15万円ないし20万円程度)を支払う必要があります(支払方法としては、多くの場合再生手続期間中に個人再生委員の口座に分割して支払う方法がとられています。)。
また,通常の民事再生手続では,債権者集会において,債権者の過半数及び債権額の2分の1以上の同意による決議がないと再生計画案は認可されませんが,小規模個人再生では,再生計画案は書面による債権者の決議(反対決議)に付され,反対者が債権者の2分の1以上及び債権額の過半数のいずれにも達しないときは,再生計画案の可決があったものとみなされます。
小規模個人再生の再生計画案に定める返済額は、法律上の最低弁済額(原則として住宅ローン以外の総債務額が3000万円までは2割ですが,同金額が100万円を下回る場合は最低100万円、300万円以上の場合300万円となります。また3000万円〜5000万円までは1割の金額が最低弁済額となります)以上でなくてはいけません。
また,民事再生手続では,破産手続による場合より多くの金額を債権者に弁済しなければならない(清算価値の保障)という原則があることから,再生債務者にある程度の財産がある場合には,その評価額の総額が最低弁済額となることもあります。
なお,再生計画案が認可された後,再生債務者が再生計画に基づく弁済を怠った場合には,再生手続は廃止または取消になってしまい,特に取消の場合は再生計画によってカットされた債権も復活してしまうので,再生債務者はほとんどの場合自己破産を余儀なくされることになってしまいますが,やむを得ない事情により再生計画の遂行が著しく困難となったときは,裁判所に対し2年間を限度とする返済期限の延長を申し立てることができるほか,それによる返済も極めて困難であり,かつ再生計画に定める弁済額の4分の3以上を弁済している等の要件を満たす場合には,残りの弁済額について,裁判所に対し免責(ハードシップ免責)の申立をすることができます。
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