第一部 離婚そのものに関する問題   03−3589−4905

第4章 内縁関係の解消
1 内縁関係の解消とは
市役所(町村役場)に婚姻届を出していないが,事実上夫婦と同様の関係にあることを,法律上「内縁関係」と呼びます。
内縁関係を解消する場合にも,法律上離婚の場合とほぼ同様に取り扱われる場合がありますが,離婚の場合と法律上の取り扱いが異なる事項もあります。
<離婚の場合とほぼ同様に取り扱われる事項>
(1) 内縁関係の解消に伴う,財産分与や慰謝料の請求が認められることがある。
(2) 内縁関係中は,当事者間の同居義務,協力扶助義務が認められるので,内縁関係中の生活費の請求も認められることがある。
(3) 子の監護に関する事項(養育費の負担を含む)は当事者の協議で決め,協議不調等の場合には家庭裁判所の調停や審判で決めることもできる。
(4) 社会保険の関係では,内縁の配偶者であると認定されれば法律上の配偶者と同様の取り扱いを受けるため,内縁関係の解消時において離婚の場合と同様の問題が生じる可能性がある。
<離婚の場合と取り扱いが異なる事項>
(1) 内縁関係を解消するには,単に事実上別れればよく,当事者が合意しなくても裁判などを行う必要はない。
(2) 内縁関係を解消するにあたり,子の親権者を決める必要はない(もともと共同親権ではなく,ほとんどの場合母親が単独で親権者になっているため)。
(3) 重婚制限の適用はそもそもなく,女性についても,6カ月の再婚禁止期間の適用はない。
(4) 所得税法の配偶者控除及び配偶者特別控除の適用はない。
(5) 内縁関係の具体的実態によっては,不貞行為等がそもそも違法ではないとされることもある。
(6) 内縁関係の解消があっても,年金分割の請求はできない。
2 内縁関係の認定基準
どのような場合に内縁関係が認められるかは,学説上も様々な見解があり,判例でも統一的な見解が示されているわけではありません。最近では,具体的に問題となる法律上の効果ごとに,相対的に基準を考えるべきであるとする見解が最も有力であるともいわれています。
ただ,敢えて一般論としていえば,内縁関係の有無は法律上の婚姻と異なり第三者にも分かりやすい指標がないので,内縁関係であることの立証はかなりの困難が伴う場合が多いということです。
基本的には,当事者双方が事実上の夫婦として生活する意思を持っていたことに加え,婚約をしているか,または一定期間夫婦同様に同居生活を続けているといった事情が不可欠であると考えられます(一時的な同居や,週に何回か同じ家にいるという程度では難しい)。
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