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個人再生徹底活用マニュアル

千川健一・坂本隆志
共著
個人再生徹底活用
マニュアル
(2005年法改正に
完全対応)

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千川健一の本
自己破産
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電話でも注文できます 03-5978-8121

第四部 年金分割          03−3589−4905

第3章 年金分割の効果

年金分割が行われると,請求された側の厚生年金保険料納付記録が,按分割合に応じて請求者に分割され,これに応じて標準報酬額の改定が行われます。

按分割合は,当事者それぞれの対象期間標準報酬総額の合計額の2分の1が上限とされており,要するに妻が専業主婦の場合は夫の厚生年金等の半分まで,共働きの場合は両者の標準報酬総額が均等になるまでが限界ということになります。

具体的な按分割合は,上限までの範囲内で当事者間の合意か家庭裁判所の審判等によって決められることになります。家庭裁判所の審判等でどのような按分割合が定められるかは,制度施行前であるため断言は出来ませんが,離婚時の財産分与においては原則として婚姻中に築き上げた財産の2分の1の請求が認められている裁判例の傾向から考えると,年金分割においても上限一杯の按分割合の請求が認められる可能性が高いと考えられます。

保険料納付記録の分割を受けた人は,その分については自分でその金額の保険料を支払ったものとみなされ,それによって自身の厚生年金受給資格(老齢厚生年金,障害厚生年金等)を満たせば,それに応じた年金を受給することができます。

なお,老齢厚生年金については,仮に元配偶者が老齢に達していても,自身が老齢に達するまでは支給されません。また,仮に元配偶者が死亡しても,自身の厚生年金受給には何ら影響しません。

なお,分割は厚生年金(報酬比例部分)の額のみに影響するものであり,基礎年金の額には影響しません。基礎年金は,たとえ専業主婦であっても個人毎に固有の受給権が認められているため,基礎年金の分割をすることはできず,離婚時の年金分割の対象となるのは,基礎年金の上乗せとして支払われる厚生年金の報酬比例部分に限られることになります。

また,分割された保険料納付記録は厚生年金額算定の基礎とされますが,その期間は原則として年金受給資格期間等には算入されません。したがって,自身の保険料納付済期間が受給資格期間(25年)を満たしていない場合には,離婚後も国民年金に加入するなどの措置が必要になる場合があります。

※「受給資格期間」とは?

国民年金や厚生年金のうち老齢を原因として支給されるものは,原則として基礎年金に関する「保険料納付済期間等」が25年以上ないと支給されません。
ここでいう「保険料納付済期間等」に含まれるのは,原則として20歳以上60歳未満の期間のうち,以下のいずれかに該当する期間です。

(1) 国民年金の第1号被保険者として,保険料を納付した期間(保険料の一部免除を受けていた期間を含む)

(2) 国民年金の第1号被保険者として,保険料の納付を免除されていた期間(申請により免除された場合のほか,障害基礎年金を受給していた期間,生活保護を受給していた期間,刑務所で服役していた期間なども含む)

(3) 厚生年金等の被保険者(第2号被保険者)であった期間

(4) 第2号被保険者の配偶者である被扶養者(第3号被保険者)であった期間(なお,昭和61年3月以前に,専業主婦等で国民年金に任意加入していなかった場合であっても,その分に関する国民年金はもらえませんが,上記の保険料納付済期間等には含まれます。)
逆にいうと,独身だった期間や配偶者が自営業者であった期間について自分の保険料を滞納していると,65歳になっても保険料納付済期間等が25年に達しておらず,折角年金分割を受けても年金をもらえない可能性があるということになります。

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