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個人再生徹底活用マニュアル

千川健一・坂本隆志
共著
個人再生徹底活用
マニュアル
(2005年法改正に
完全対応)

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千川健一の本
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第一部 債務整理とは           03−3589−4905

2 債務整理手続の種類

一口に「債務整理手続」と言っても,いろいろな種類があり,債務の金額や相手方,職業・収入や家計の状況,債務整理に関する自分自身の希望(自宅を守りたい,返せる範囲では借金を返済したい等)その他の事情に応じ,ご自分に最適な債務整理手続を選択する必要があります。
現在,個人や中小事業者向けに開かれている債務整理手続には,以下のようなものがあります。

(1) 任意整理

弁護士に債権者との交渉を依頼して,利息制限法に基づく引き直し計算(詳細は第6部の1参照)や返済条件の変更等によって,現状の収入により返済可能な条件で債権者各社と和解する方法です。
ある程度の収入及び支払能力があり,債務額もそれほど多くないが,消費者金融などの金利が重いために返済が行き詰っている人などに向いている手続です。

(2) 特定調停

簡易裁判所に調停の申立をして,裁判所での話し合いにより債権者と和解する方法です。
任意整理と若干似ていますが,特定調停は弁護士に事件を依頼しなくても手続が可能である。
一定場合に差押などの強制執行手続を中止させることができるなどのメリットがある一方で,担当する調停委員の質にばらつきがある,調停を申し立てるにあたって利息制限法等の債務整理に関する知識を身につけていないと最善の解決が図れない可能性がある。
和解調書が債務名義(詳細は第6部の2参照)になってしまうので,和解条項に基づく債務の返済が滞ると裁判なしで給料の差押等を受けてしまうなどのデメリットがあります。

(3) 自己破産・免責手続

裁判所に破産の申立をして破産宣告を受け,その後裁判所から免責決定を受けることによって,債務の全額を棒引きにしてもらうという,いわば究極の債務整理手続です。
破産法に基づく破産手続のうち,債務者自らが破産の申立をして行う手続を,通称「自己破産」手続と呼んでいます。

自己破産は,債務額がどうしようもなく膨大であるとか,失業などで収入がほとんどないという人に向いている手続ですが,概ね時価20万円以上の財産はすべて換価され債権者に配当されてしまう,資格などの制限が付くといったデメリットもあり,しかも一度免責決定を受けると今後最低10年間(ただし,平成16年改正破産法の施行後は,最低7年間)は再度の免責決定を受けられなくなることから,債務整理手続における最後の手段と考えたほうがよいでしょう。

(4) 個人再生手続

裁判所に再生手続開始の申立をして,再生計画に従って一定額の債務を返済し,残りの債務を棒引きにしてもらうという,民事再生法という法律によって作られた比較的新しい債務整理手続です。
民事再生法による再生手続のうち,個人向けの再生手続の特例として平成13年4月からスタートした「小規模個人再生」及び「給与所得者等再生」手続を総称して,通称「個人再生手続」と呼ばれています。

個人再生手続は,ある程度支払能力のある多重債務者について,自己破産せずに生活を再建する途を開いた画期的な手続であり,再生計画に住宅資金特別条項(通称「住宅ローン条項」)を付けることで,他の手続ではほとんど不可能だった住宅ローンの抵当権付きの自宅を守ることもできるという特徴もありますが,利用できる要件や手続が複雑であり弁護士に依頼しないで自分で手続を行うことは非常に難しいこと,また弁護士であっても個人再生手続に精通している人が少ないという問題点もあります。

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