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4 債務整理事件における弁護士と司法書士の違い
債務整理事件については,最近は弁護士だけでなく,一部の司法書士も積極的に広告を出したりしていることから,弁護士と司法書士のどちらに依頼した方がよいか,というご質問を受けることもあります。ここでは,債務整理事件について弁護士と司法書士の違いを簡単にご説明します。
弁護士は,「訴訟事件,非訟事件・・・その他一般の法律事務」(弁護士法第3条第1項)を行うことを職務としますから,自己破産,個人再生などの手続についても当然申立人の代理人となることができますし,任意整理事件においても,債務者の代理人として業者等と交渉することが出来ます。
自己破産や個人再生の手続では,事情聴取などのため本人が裁判所などに出頭するよう求められることがありますが,それ以外の手続はほとんど弁護士が代わりに行ってくれますし,手続に関する裁判所からの書類はすべて弁護士宛に届き,必要に応じて弁護士から連絡が来るということになります。
一方,司法書士は「裁判所又は検察庁に提出する書類を作成すること」(司法書士法第3条第1項第4号)が業務の一つに挙げられていますので,申立書など自己破産や個人再生の手続に必要な書類を代わりに作成することができます。また,簡裁訴訟代理関係業務の研修を受け法務大臣の認定を受けた司法書士であれば,簡易裁判所の管轄となる訴額140万円以下の民事紛争に関し,訴訟や裁判外の和解について代理することができるので,これに基づき任意整理を行うことも可能です。
しかし,司法書士は,地方裁判所の専属管轄事件である自己破産事件や個人再生事件について申立人の代理人になることはできませんので,司法書士にこれらの事件を依頼した場合,申立ては「本人申立て」という取り扱いになります。したがって,これらの手続に関する裁判所からの連絡はすべて本人に来ることになりますし,裁判所からの問い合わせ等への対応も基本的には自分で行わなければなりません。
また,東京地方裁判所における個人の破産手続きは,基本的に弁護士が申立代理人となっていることが前提とされており,弁護士を代理人に立てない「本人申立て」はなかなか受理してもらえませんので,司法書士に依頼した場合には,東京地方裁判所での破産申立てはかなりの困難が伴うと予想されます。
司法書士に支払う報酬は弁護士より割安になっているようですが,特に個人再生事件の場合,申立てをする裁判所によっては「本人申立て」であることを理由に個人再生委員が選任されたり,個人再生委員報酬が増額されたりすることがありますので,その分の追加費用が発生する可能性もあります。
なお,後述する債権者に対する「受任通知」については,司法書士であっても上記の認定を受けていれば出すことができると解されていますので,この点では大きな違いはありません。
その他,弁護士であれば法律事務全般を取り扱えるため,手続中に相続など他の法律問題が発生しても機動的に対処できるなどの利点もありますので,どちらかというと弁護士に依頼した方が無難ではないかと思われますが,弁護士の数が極端に少ない地域などもありますし,また特に個人再生事件については,弁護士・司法書士の中でも手続に精通しているかどうかはかなり個人差が大きく,個人再生手続きを知らない弁護士よりは個人再生手続きに詳しい司法書士に依頼した方がよいという場合もあり得ますので,実際にはケース・バイ・ケースです。
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