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個人再生徹底活用マニュアル

千川健一・坂本隆志
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個人再生徹底活用
マニュアル
(2005年法改正に
完全対応)

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第三部 特定調停              03−3589−4905

2 特定調停のメリット・デメリット

(1) 特定調停の主な特徴及びメリット

特定調停の大きな特徴としては,一般の民事調停と異なり,複数の債権者との調停を一括処理するところにあります。

任意整理や一般の民事調停による個別的な交渉では,債権者は,債務者にどの程度の資力があるのか,他にどの程度の債務があるのかという実情が分からないため,「月々もっと支払えるだろう。」とか,「他の債権者にはもっと支払っているのではないか。」とか,「うちの支払だけは多くしろ。」といった猜疑心が働くことがあり,こうした猜疑心が任意整理や一般民事調停での解決を難しくすることがあります。

ところが,特定調停では債務者自らの経済状態を明らかにした上で,複数の債権者(全部の債権者を取りまとめた方がいいでしょう。)を対象として事件を一括処理し,ここではすべて情報がオープンにできるので,債権者にとってはある程度安心して和解交渉に臨むことができるメリットがあります。

また,特定調停では調停委員,裁判所も多重債務の一括処理を目指して強いイニシアチブを発揮することが期待できますから,一般調停のように「調停委員は単に中に入っているだけで頼りない。」という不満もある程度で解決されていると評価できます。

次に,裁判所は特定調停の目的となった権利に関する民事執行手続,具体的には不動産の差押・競売や給料の差押等の停止を命じることができます(同法7条)。

特定の債権者に給料を差し押さえられると,債務者は他の債権者に対する支払原資を失ってしまいますので,多重債務の整理は非常に難しくなります。

また,当事者双方に文書を提出する責務が規定されたので(法10条,12条),貸金業者が取引経過の開示を拒絶しているような場合の解決方法としても意義が認められます。

(特定調停法の参照条文)

第10条 特定調停においては,当事者は,調停委員会に対し,債権又は債務の発生原因及び内容,弁済等による債権又は債務の内容の変更及び担保関係の変更等に関する事実を明らかにしなければならない。

第12条 調停委員会は,特定調停のために特に必要があるときは,当事者又は参加人に対し,事件に関係のある文書又は物件の提出を求めることができる。

第13条 調停委員会は,特定調停を行うに当たり,職権で事実の調査及び必要であると認める証拠調べをすることができる。

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