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個人再生徹底活用マニュアル

千川健一・坂本隆志
共著
個人再生徹底活用
マニュアル
(2005年法改正に
完全対応)

自己破産個人版民事再生のすべてがわかる本

千川健一の本
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インターネットを利用した架空請求・悪質請求について

1 はじめに

最近,インターネットを利用していたら身に覚えのない請求をされた,ホームページを開いたらいきなり「登録完了」などと表示され料金を請求された,などという相談を受けることがよくあります。

これらの事例について,法律上支払義務が認められることはほとんどないのですが,もっともらしい法律用語などを並べ立てて振り込めと言われると,不安になってつい振り込んでしまう人もいるようです。

ここでは,主にインターネット上での登録料などを請求された場合において,支払義務があるかどうかの法律上の考え方,及び実際に支払請求があった場合の対処法について説明します。

2 契約の成立には「申込み」と「承諾」が必要

インターネット上の会員サイト等に登録することによって,登録料や会費等の支払義務が生じるのは,会員サイトの利用権等の対価として登録料を支払うという内容の「契約」が成立したことによるものであり,契約が成立していない段階で登録料等の支払義務が生じることはありません。

そして,わが国の民法では,契約は一方当事者の「申込み」と相手方の「承諾」によって成立するものとされており,インターネットを利用した契約でも例外ではありませんから,利用者が契約の「申込み」と呼べるような行為をしていない限り,相手方から勝手に「登録しました」などという表示をしてきても,それによって契約が成立したとはいえませんから,登録料などの支払義務は法律上一切生じないことになります。

ここでいう『契約の「申込み」と呼べるような行為』とは,例えばホームページ上の「登録する」「契約する」などという部分をクリックするとか,契約内容についての説明が表示された後,自分の氏名・住所・連絡先などを画面に入力して「送信する」ボタンをクリックするなど,一般の人が見ても「これは契約の申込みをしたのだな」と分かるような行為のことであり,これに当たるかどうかは常識で判断していただければよいと思われます。

よって,単にウェブサイト上のあるページを開くなど,これによって契約の申込みをしたことになるとは通常考えられない行為をしたところ,突然登録完了の画面が表示されたなどという場合には,後述する錯誤とか電子消費者契約に関する特例法の問題などを論ずるまでもなく,そもそも契約は成立していないので登録料などを支払う義務はないということになります。

なお,一部のウェブサイトでは『会員規約』などを作成し,「利用者が○○のページを開いたときには会員登録の申込みをしたものとみなす」などともっともらしく書いてあることもあるようですが,このような『会員規約』の類も,利用者がその規約に同意しなければ,法律上効力の認められる「契約」の内容にはなりません。

したがって,問題となる特定の操作をするにあたり,その規約の内容を事前に知ることができる状態になかった場合はもちろん,規約の内容自体は事前に読むことができても,利用者がその規約の内容に同意したといえるような行為を一切行っていない場合には,その規約の規定に基づき契約が成立する(=登録料等の支払義務が生じる)ことはありません。

ただし,会員規約などが表示され,その内容に『同意する』と書かれたボタンをクリックするなどの動作を行った場合には,その規約の内容を実際に読んでいなくても,その規約が契約内容として有効になってしまう場合があるので注意が必要です。

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