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個人再生徹底活用マニュアル

千川健一・坂本隆志
共著
個人再生徹底活用
マニュアル
(2005年法改正に
完全対応)

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第1部 相続が発生したときにとるべき手続の概要

1 戸籍法に基づく死亡の届出(戸籍法86条)

死亡した人の同居の親族、同居の親族がいないときはその他の同居者、同居者がいないときは住居の家主、地主または管理人は、死亡の事実を知った日から7日以内に、死亡の届出をしなければなりません(ただし、日本国外で死亡した場合は、その事実を知った日から3ヶ月以内に届け出ればよいとされています)。

死亡の届出は、死亡者の本籍地、死亡地、届出人の所在地のいずれかを管轄する市区町村役所(役場)でおこなうことができます(戸籍法25条1項、88条1項)。

死亡の届出書には、

●死亡の年月日時分および場所
●死亡者の性別
●死亡者が外国人であるときはその国籍
●死亡当時における配偶者の有無
(配偶者のないときは、未婚または直前の婚姻について生別・死別の別)
●死亡当時に配偶者が生存しているときは、その配偶者の年齢
●死亡者が出生後30日以内に死亡したときは、出生の時刻
●死亡当時の世帯の主な仕事
●国政調査実施年の4月1日から翌年3月31日までに発生した死亡の場合は、死亡者の職業および産業
●死亡当時における世帯主の氏名

を記載し、診断書または検案書を添付しなければなりません(戸籍法86条2項、戸籍法施行規則58条)。なお、やむを得ない事由によって診断書または検案書を得ることができないときは、死亡の事実を証明すべき書面によってこれに代えることができます(戸籍法86条3項)。

なお、正当な理由なく届出義務者が期間内に死亡の届出をしない場合には、3万円以下の過料に処せられることがあります(戸籍法120条)。

2 相続の放棄または限定承認

相続人が相続の放棄または限定承認をするときは、原則として自己について相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内に、被相続人(死亡者等)の住所地または相続開始地を管轄する家庭裁判所で、相続放棄または限定承認の申述をしなければなりません(民法915条、924条、938条、家事審判規則99条1項)。

ただし、相続財産の調査に時間がかかり、3ヶ月以内に相続を決断することが困難であるなどの事由があるときは、家庭裁判所に請求して相続放棄または限定承認の申述をすべき期間を伸長することが認められる場合があります(民法915条ただし書、924条)。

相続の放棄及び限定承認は、被相続人が多額の債務を負っている場合などに、相続人がそれらの負担を回避するために認められる制度です(詳しくは第2部で説明します)が、上記の期間内に申述をしないと、相続の単純承認をしたものとみなされ(民法921条2号)、もし被相続人が多額の債務(借金など)を負っていた場合は、相続人がその債務を負担しなければならないことになります。

3 所得税の準確定申告

被相続人につき、相続が開始した年の1月1日から相続開始日までに所得が発生しているときは、相続人は、相続の開始を知った日から4ヶ月以内に、被相続人の住所を管轄する税務署において所得税の申告(準確定申告)を行い、納付すべき所得税額があるときはその税金を納付しなければなりません(所得税法125条1項、129条)。

また、所得税の確定申告書を提出すべき者が、1月1日から所得税の確定申告期限(3月15日)までに、所得税の確定申告書を提出しないで死亡したときは、その相続人は、相続の開始を知った日から4ヶ月以内に、死亡者に代わって所得税の確定申告をし、納付すべき所得税額があるときはその税金を納付しなければなりません(同法124条1項、129条)。

4 相続税の確定申告

相続、遺贈(死因贈与を含む)により取得される財産(みなし相続財産を含む)が、被相続人1人につき相続税の基礎控除額(原則として5000万円+法定相続人の数×1000万円)を超えるときは、相続人らが相続の開始を知った日から10ヶ月以内に、相続税の確定申告をし、納付すべき相続税額があるときはこれを納付しなければなりません(相続税法27条1項、33条、国税通則法35条1項。詳しくは第4部で解説します)。

上記確定申告の期限までに遺産分割が確定していない場合には、法定相続分に従い財産を取得したものとして、相続税の確定申告をしなければなりません(相続税法55条)。

5 相続税の更正請求期限

相続税の確定申告の期限までに遺産分割が確定せず、法定相続分に従い財産を取得したものとして相続税の確定申告をした場合において、その後に遺産分割が確定した場合は、その事実があったことを知った日から4ヶ月以内、かつ原則として相続税の申告期限後3年以内に限り、更正の請求をすることができます(相続税法32条、国税通則法70条)。

相続税に関する税法上の優遇措置には、確定申告時において遺産分割が確定していないとその適用を受けられないものがある(配偶者に対する税額の軽減、特定の土地に関する相続税評価額の軽減など)ので、もし上記の期限内に遺産分割が確定しない場合には、相続税について重大な不利益を被る場合があります。

6 各種社会保険の給付金請求 相続が発生した場合、受給できる可能性がある社会保険の給付金には、主に以下のようなものがあります。これらは、受給手続を行わないことによる制裁があるわけではありませんが、せっかくもらえる給付金ですから、もらい損ねないようにしっかり手続をとりましょう。

(1)年金に関する給付

●遺族基礎年金

国民年金の被保険者若しくは被保険者であった者、老齢基礎年金の受給権者が死亡したときに、それらの者の「子のある妻」または「子」(定義は第3部A4−3参照)に対して支給されます。

支給額は、基本額が年間797,000円(平成15年度価格)で、「子」の数に応じて加算されますが、当該死亡者につき、保険料納付済期間または保険料免除期間が全被保険者期間の3分の2以上であるか、または過去1年間に保険料の滞納がない場合でないと、遺族基礎年金は支給されません。

●寡婦年金

国民年金の第1号被保険者としての保険料納付済期間(保険料免除期間も含む)が25年以上ある者(老齢基礎年金または障害基礎年金の受給実績がない者に限る。)が死亡したとき、その者に婚姻期間10年以上(内縁可)の妻がいる場合には、その妻が60歳から65歳に達するまで、寡婦年金を受給できます。

支給額は、死亡者が65歳から受給できたはずの老齢基礎年金の額の4分の3に相当する金額です。

●死亡一時金

国民年金の第1号被保険者としての保険料納付済期間、及び保険料半額納付済期間の2分の1に相当する期間の合計が3年以上ある者が、老齢基礎年金または障害基礎年金を受給することなく死亡したときは、その死亡者と生計同一関係にある遺族に対し、死亡一時金が支払われることがあります(遺族基礎年金や寡婦年金との併給はできません)。

●遺族厚生年金

厚生年金の被保険者または被保険者であった者が死亡したときに、その遺族に対し支給されます(受給権者については第3部A4−3参照)。
支給額は、原則としてその者が受けるべき老齢厚生年金の4分の3ですが、死亡者が次の各号のいずれかに該当する場合には、被保険者期間の月数を300ヶ月以上とする最低保障があります。

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