相続税・贈与税の基礎知識   03−3589−4905
贈与税の基礎知識
<0> はじめに
贈与税は,個人が贈与(遺贈及び死因贈与を除く。)によって財産を取得したときに課税される国税であり,その概要は,相続税法,租税特別措置法69条の2から70条の8まで,及びその施行令や施行規則などによって定められています。
前述のように,相続や遺贈による財産の取得に対しては相続税が課税されるところ,もし生前贈与について課税がなされないならば,生前の分割贈与によって容易に相続税の負担を逃れることができ,相続税の課税の公正が保たれなくなることから,贈与税は,相続税の適正な課税を実現するために,相続税の補完税として設けられています。
贈与税について,贈与税法という独立した法律が設けられておらず,相続税法の中に贈与税に関する規定が設けられているのも,上記のような趣旨によるものです。
贈与税については,一般的に相続税より高めの税率が設定されていますが,一方でいくつかの特例措置も認められており,生前贈与も含めた相続対策を考える上では,贈与税の基礎知識も必要不可欠なものになっています。
<1>贈与税の納税義務者
「相続または遺贈」が「贈与」になること,「相続時精算課税制度に基づく納税義務者」がいないこと以外は,相続税の納税義務者(前記1(2)参照)と同じです。
<2>贈与税の課税財産・非課税財産
贈与税の課税財産には,「本来の贈与財産」と「みなし贈与財産」があります。
(1) 本来の贈与財産
個人からの贈与契約によって取得した財産であり,金銭や預貯金等はもちろんのこと,土地,家屋,減価償却資産,有価証券その他金銭で見積もることのできる経済的価値のあるものすべてが含まれます。
なお,法人から受けた贈与は,贈与税ではなく「一時所得」として所得税が課税されますので注意してください。
(2) みなし贈与財産
次に掲げる財産は,その経済的効果が実質的に贈与を受けたのと同様であるとして,相続税法上「みなし贈与財産」として,贈与税が課税されます。
1)委託者以外の者を受益者とする信託行為があった場合の信託受益権
2)満期等により保険料を負担していない者が取得した生命保険金等
3)給付事由の発生により取得した定期金の受給権
4)低額の譲り受けにより受けた利益
5)債務の免除,引受等により受けた利益
6)その他,対価を支払わないで,または著しく低い対価で得た経済的利益
ただし,4)から6)については,債務者が資力を喪失して債務の弁済が困難となった場合に,その債務の全部または一部について免除を受けたり,配偶者など民法上の扶養義務者からその債務の弁済,引受または弁済に充てるための資産の譲渡などを受けた場合には,贈与とはみなされないことになっています。
(3) 非課税財産
次に掲げる財産は,財産の性質や贈与の目的等に照らして,贈与税の課税対象からは除かれています。
1)法人からの贈与により取得した財産(→「一時所得」として所得税がかかる)
2)扶養義務者から生活費や教育費として贈与を受けた財産
3)心身障害者共済制度に基づく給付金の受給権
4)社交上必要と認められる香典,祝物,見舞金等
5)相続開始の年に被相続人から贈与を受けた財産等(→相続税がかかる)
6)公共事業用に贈与された財産や選挙運動のための贈与財産
7)特別障害者扶養信託契約に基づく信託受益権の6,000万円までの部分
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