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千川健一・坂本隆志
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贈与税の基礎知識

<5> 住宅取得資金の贈与の特例

父母または祖父母から住宅取得資金の贈与を受けた場合に,次の(1)から(8)までの要件のすべてを満たす場合には,5分5乗方式で贈与税額を計算することとなっています(旧租税特別措置法70条の3)。

(1) 父母(養父母も含む)または祖父母から,住宅の取得若しくは新築,または一定の増改築の対価に充てるための金銭の贈与を受けたこと。
(2) 贈与を受けた者が,無制限納税義務者に該当する個人であること。
(3) その者の,住宅取得資金の贈与を受けた年における所得税の合計所得金額が1200万円以下であること。
(4) 過去にこの特例の適用を受けたことがないこと
(5) 贈与を受けた者が,次のAまたはBに該当すること

 A 住宅取得資金を贈与により取得した日前5年以内にその者またはその配 偶者の所有にかかる住宅用家屋に居住したことがない者であること
 B 住宅取得資金を贈与により取得した日前5年以内に居住していたその者またはその者の配偶者の所有にかかる住宅用の家屋及び土地を,その取得の日に属する年の翌年3月15日までに譲渡していること

(6) 住宅の取得または新築の場合は,その適用を受ける家屋が次のAからDまでのすべてを満たすものであること

 A 相続税法の施行地内(日本国内)にあること
 B 床面積が50u以上であること
 C その家屋の床面積の2分の1以上が専ら居住の用に供されていること
 D その家屋が中古住宅である場合は,その取得日以前20年(耐火建築物については25年)以内に建築されたものであること

(7) 住宅の増改築の場合は,工事費用が1000万円以上であるか,または床面積の増加が50u以上であること
(8) 贈与を受けた年の翌年3月15日までに,住宅を新築または取得し(増改築の場合は完成させ),これに居住するか居住する見込みであること

5分5乗方式というのは,特例に係る贈与の価額を5分の1にして計算した税額に5を乗じて贈与税額を計算することです。

例えば,贈与された住宅取得資金が1500万円であるときは,贈与税の額は
(1500万円÷5−110万円)×10%×5=95万円ということになります。
なお,贈与された住宅取得資金の額が550万円以下である場合には,贈与税はかからないことになりますが,その場合でもこの特例を受ける場合には,その旨を記載した贈与税の申告書を提出する必要があります。

※1 この「5分5乗方式」は,将来5年分の贈与税の基礎控除を先取りすることを意味するので,この特例の適用を受けた後は,その翌年以降の4年間は,贈与を受けてもその先取り部分については基礎控除額の適用を受けられなくなります。

※2 この特例は,平成15年4月1日施行の改正で廃止が決まりましたが,平成17年12月31日までは経過措置として存続されることになっています。なお,平成15年1月1日以降にこの特例の適用を受けた場合,その後5年間は,後述する相続時精算課税制度の適用を選択することができなくなりますので,注意してください。

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