相続税・贈与税の基礎知識   03−3589−4905
相続税・贈与税における財産の評価方法
<11> その他の財産の評価
(1) 一般動産
課税時期において,その財産をその現況により取得する場合の価額(調達価額)で評価するのが原則ですが,調達価額が明らかでない場合は,同規格の新品の小売価額(同規格の新品がない場合には,それに最も近似した同機能の新品の小売価格から30%以内の相当額を減額した額)から,経過年数(1年未満の端数切り上げ)に応じる減価額(税法上の耐用年数に応じ,定率法により計算した減価額)を差し引いた金額により評価します
(2) 棚卸商品等
販売形態であるもの(商品,製品,生産品等)については,以下の算式によります。
評価額=販売価額−(適正利潤額+予定経費額+消費税・地方消費税
仕入形態であるもの(原材料,半製品,仕掛品等)については,仕入価額に引取費等の付随費用を加算した額(取得原価)により評価します。
(3) 牛馬等
牛,馬,犬,鳥,魚等(以下「牛馬等」という。)の評価は,原則として,種類別,用途別(例えば,使役用,搾乳用,種付用,愛がん用等の別),年齢別等に応じて国税局長の定める標準価額によって評価されます。ただし,その血統,経歴等により著しくその価額に影響を及ぼすと認める牛馬等で標準価額によって評価することが不適当であると認められるものについては,売買実例価額,精通者意見価格等を参酌して評価することとされています。
なお,販売業者が販売の目的をもって有するもの及び産とくの価額は,棚卸商品等として評価します。
(4) 書画・骨董品
書画骨董品の評価は,売買実例価額,精通者意見価格等を参酌して評価するものとされています。ただし,販売業者が有するものの価額は,棚卸商品等として評価します。
(5) 船舶
原則として,一般動産と同様の評価方法によりますが,課税時期後1年以内に定期検査日が到来するものについては,その価額から10%以内の相当金額が控除されます。
(6) 電話加入権
電話加入権の評価は,取引相場のあるものについては,課税時期における通常の取引価額に相当する金額によって評価し,取引相場のないものについては,売買実例価額等を基として,電話取扱局ごとに国税局長の定める標準価額によって評価するものとされています。
ただし,特殊な番号(1番から10番まで若しくは100番のような呼称しやすい番号又は42番,4989番のような誰もがいやがる番号をいう。)その他上記により評価することが不適当な電話加入権の価額については,売買実例価額,精通者意見価格等を参酌して,適宜増減した価額によって評価されます。
(7) 営業権
営業権の価額は,次の算式によって計算した価額と課税時期を含む年の前年の所得の金額(営業権の価額が相当高額であると認められる著名な営業権については,その所得の金額の3倍の金額)とのうちいずれか低い金額に相当する価額によって評価します。
超過利益金額=
平均利益金額×0.5−企業者報酬の額−総資産価額×基準年利率
営業権の価額=
超過利益金額 × 営業権の持続年数(原則として,10年とする。)に応ずる基準年利率による複利年金現価率
「平均利益金額」,「企業者報酬の額」,「総資産価額」の定義について詳しく知りたい方は,国税庁のホームページにある『財産評価基本通達』の166を読んでください。
なお,以下のAからDまでのいずれかに該当する営業権の価額は,財産として評価しないこととされています。
A 超過利益金額が5万円未満の企業の営業権
B 平均利益金額が200万円未満の企業の営業権
C 開業後10年(他人よりその企業を継続した場合は,その他人の営業期間と通算して10年)に満たない企業の営業権
D 医師,弁護士等のようにその者の技術,手腕又は才能等を主とする事業で,その事業者の死亡と共に消滅すると認められるものの営業権
(8) 特許権等
特許権,実用新案権,意匠権,商標権及びそれらの実施権は,権利者が自らその特許発明を実施している場合には,その者の営業権に含めて評価します。
その他の場合は,その権利に基づき将来受ける補償金の額の基準年利率による複利現価の額の合計額によって評価することとされていますが,将来受けると見込まれる補償金の額が50万円に満たない場合は,評価しないものとされています。
(9) 著作権等
著作権及び著作隣接権の評価額は,原則として,著作者の別に一括して次の算式によって計算した金額によって評価します。ただし,個々の著作物に係る著作権について評価する場合には,その著作権ごとに次の算式によって計算した金額によって評価します。
評価額=年平均印税収入の額×0.5×評価倍率
上記の「年平均印税収入の額」は,課税時期の属する年の前年以前3年間の印税収入の額の平均額です。
上記の「評価倍率」は,課税時期後における各年の印税収入の額が「年平均印税収入の額」であるものとして,著作物に関し精通している者の意見等を基として推算したその印税収入期間に応ずる基準年利率による複利年金現価率とされています。
なお,出版権の価額は,出版業を営んでいる者の有するものにあっては,営業権の価額に含めて評価し,その他の者の有するものにあっては,評価しないこととされています。
(10) 貸付金債権
貸付金,売掛金,未収入金,預貯金以外の預け金,仮払金,その他これらに類するもの(貸付金債権等)の価額は,原則として元本の価額と課税時期現在における既経過利息の価額との合計額によって評価するものとされています。
ただし,以下のAからCに掲げる場合等により,その回収が不可能または著しく困難と見込まれるときには,その回収困難な金額は評価額に算入しないこととされています。
A 債務者について次に掲げる事実が発生している場合(ただし,この場合でも,質権及び抵当権によって担保されている債権の金額は評価額に算入します。)
イ 手形交換所等において取引停止処分を受けたとき
ロ 会社更生手続の開始の決定があったとき
ハ 民事再生法の規定による再生手続開始の決定があったとき
ニ 会社の整理開始命令があったとき
ホ 特別清算の開始命令があったとき
へ 破産の宣告があったとき
ト 業況不振のため又はその営む事業について重大な損失を受けたため,その事業を廃止し又は6か月以上休業しているとき
B 再生計画認可の決定,整理計画の決定,更生計画の決定または法律の定める整理手続によらないいわゆる債権者集会の協議により,債権の切捨て,棚上げ,年賦償還等の決定があった場合(これらの決定により切り捨てられる部分の債権の金額,及び次に掲げる金額を評価額に算入しないこととされています。)
イ 弁済までの据置期間が決定後5年を超える場合におけるその債権の金額
ロ 年賦償還等の決定により割賦弁済されることとなった債権の金額のうち,課税時期後5年を経過した日後に弁済されることとなる部分の金額
C 当事者間の契約により債権の切捨て,棚上げ,年賦償還等が行われた場合において,それが金融機関のあっせんに基づくものであるなど真正に成立したものと認めるものであるとき(この場合,Bに準ずる金額を評価額に算入しないこととされています。)
(11) 訴訟中の権利
訴訟中の権利の価額は,課税時期の現況により係争関係の真相を調査し,訴訟進行の状況をも参酌して原告と被告との主張を公平に判断して適正に評価するものとされています。
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