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個人再生徹底活用マニュアル

千川健一・坂本隆志
共著
個人再生徹底活用
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(2005年法改正に
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千川健一の本
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相続税・贈与税の基礎知識         03−3589−4905

相続税の基礎知識

<3>課税価格の計算

(1) 被相続人の相続財産
被相続人から相続または遺贈により取得した財産で,民法上の相続財産と同様に,被相続人の一身に専属する財産や,祭祀用の財産は除外されます。

なお,「相続財産」には,金銭的に評価のできる経済的価値のあるものがすべて含まれ,物権や債権に属する物はもちろん,無体財産権,信託受益権,電話加入権,ゴルフ会員権,営業権なども含まれますが,質権,抵当権または地役権のような従たる権利については,主たる権利の価値を担保し,または増加させるものに過ぎないので,独立した財産とは扱われていません。

なお,相続財産の評価は,原則として当該財産を取得したときの時価によって行いますが(相続税法22条),特定の財産については,相続税法や財産評価基本通達でその評価方法が定められています。財産の評価方法については,後述の「第3章 相続税・贈与税における財産の評価方法」で解説します。

(2) 相続税法上のみなし相続財産
民法上の相続財産には該当しないが,実質的にこれと同様の経済的効果を有するものとして,以下に掲げるものは,相続税法上「相続または遺贈によって取得したものとみなす」もの(みなし相続財産)とされ,相続税の課税対象とされています(相続税法3条以下)。

1)被相続人の死亡により受給権が発生する,生命保険や損害保険の保険金や各種共済等の共済金であって,被相続人が保険料等を負担していたもの 相続人が取得したときは相続によって,それ以外の者が取得したときは遺贈によって取得したものとみなされます。
2)被相続人の死亡により受給権が発生する,退職手当金や功労金等の給与またはこれに類するものであって,被相続人の死亡後3年以内にその支給が確定したもの 相続人が取得したときは相続によって,それ以外の者が取得したときは遺贈によって取得したものとみなされます。
3)相続開始時において,まだ支給原因が発生していない生命保険契約や定期金給付契約等に基づく権利であって,被相続人が当該契約等に係る保険料等を負担していたもの 相続人が取得したときは相続によって,それ以外の者が取得したときは遺贈によって取得したものとみなされます。
4)特定市街化区域等以外の農地,採草放牧地及び準農地の一括贈与を受けた者が,その贈与において贈与税の納税猶予を受けた場合において,その贈与者が死亡したときは,その農地等(租税特別措置法70条の5) 相続人が取得したときは相続によって,それ以外の者が取得したときは遺贈によって取得したものとみなされます。
5)民法958条の3の規定により,特別縁故者が相続財産法人から分与を受けた財産(相続税法3条の2) 遺贈により取得したものとみなされます。
6)一定の信託受益権(相続税法4条) 遺贈により取得したものとみなされます。
7)遺言によって,著しく低い金額で財産の譲渡を受けた場合においては,原則として譲渡を受けたときのその財産の時価とその対価として支払った金額の差額(相続税法7条) 遺贈により取得したものとみなされます。
8)遺言によって,対価を支払わないで,または著しく低い対価で債務の免除,引受または第三者のためにする債務の弁済による利益を受けた場合においては,それによって得た利益(相続税法8条) 遺贈により取得したものとみなされます。

なお,相続とみなされるか遺贈とみなされるかは,相次相続控除(5の(6)で説明)の適用の有無で違いが生じてきます。

(3) みなし相続財産の非課税限度額
相続税法上のみなし相続財産とされるもののうち,以下に掲げるものは,一定の限度額まで非課税扱いになります(相続税法12条)。

1)被相続人の死亡によって,相続人(相続を放棄した者,相続権を失った者を除く)が受け取った生命保険,損害保険の保険金や各種共済等の共済金であって,被相続人が保険料を負担していたもの
  非課税限度額=500万円×法定相続人の数
2)被相続人の死亡によって,相続人(同上)が受け取った死亡退職金
  非課税限度額=500万円×法定相続人の数
3)被相続人の死亡によって,雇用主等から受ける弔慰金(相続税法基本通達3−20)。ただし,法律の規定によって支払われる遺族補償金,葬祭料,埋葬料,弔慰金その他これらに準するものは,その金額の多寡にかかわらず非課税とされる。
  非課税限度額:業務上の死亡であるとき 被相続人の普通給与の3年分
            業務外の死亡であるとき 被相続人の普通給与の半年分

(4) 非課税財産
上記(3)の非課税限度額のほか,以下に掲げる財産は,国民感情の尊重,社会政策的配慮から,相続財産またはみなし相続財産に該当するものであっても,相続税の課税対象からは除外されています。

1)皇室経済法の規定によって皇位とともに皇嗣が受けたもの
2)墓地,霊廟,仏壇,仏具など
3)公益事業を行う人が相続または遺贈によって取得した財産で,その公益事業の用に供することが確実なもの(取得後2年を経過してもその公益事業の用に供していないものを除く)
4)心身障害者共済制度に基づく給付金の請求権
5)相続税の申告期限までに国,地方公共団体,または特定の公益法人に寄付した財産(租税特別措置法70条1項)
6)相続税の申告期限までに,特定の公益信託に支出した金銭(同条3項)
7)相続税の申告期限までに,認定非営利活動法人に贈与した財産(同条10項)

(5) 債務控除
債務控除の対象となるのは,相続開始の際現に存する被相続人の債務(税金などの公租公課を含む)であって,確実と認められるもの及び後述の葬式費用です。

連帯債務については,原則として債務の全額ではなく,被相続人の負担割合のみが債務控除の対象になりますが,他の連帯債務者に既に弁済不能となっている者がおり,被相続人がその負担割合の全部または一部を負担しなければならない場合は,その負担しなければならない割合も債務控除の対象とすることができます。

保証債務については,原則として債務控除の対象になりませんが,主債務者が破産等の理由で弁済不能となっているときは,その弁済不能額を債務として控除することができます。

なお,制限納税義務者の場合,債務控除の対象となるのは,課税対象となる財産に係る公租公課,当該財産を目的とする担保権で担保されている債務,当該財産の取得,維持,管理に関する費用,当該財産に関する贈与の義務,被相続人が日本国内において有していた営業所または事業所に係る営業上または事業上の債務に限定されます。

(6) 葬式費用
葬式費用として債務控除の対象となるのは,葬式や葬送に際し,またはそれらの前において,埋葬,火葬,納骨,遺骸や遺骨の回送費用その他の費用であり,葬式に際し施与した金品で,被相続人の職業,財産その他の事情に照らして相当程度と認められるものに要した費用や,葬式の前後に生じた出費で,通常葬式に伴うものと認められるもの,死体の捜索または死体・遺骨の運搬に要した費用も含まれます。

ただし,香典返し,墓碑や墓地の購入費用,法会費用,医学上または裁判上の特別の処置に要した費用は,葬式費用には含まれないものとされています。
なお,葬式費用の控除は,無制限納税義務者にのみ認められ,制限納税義務者には認められないので注意してください。

(7) 相続税の課税価格に加算される生前贈与財産
被相続人から生前に受けた贈与が,次の1)または2)に該当する場合は,その贈与財産の価額が相続税の課税価格に加算されます。

1)相続または遺贈により被相続人から財産を取得した者が,相続の開始前3年以内に被相続人から財産の贈与を受けている場合。ただし,以下のAからCに該当する贈与額を除く(相続税法19条)。
A 贈与税の非課税財産の贈与額
B 贈与税の配偶者控除を受けている場合の控除額
C 相続開始の年においてされた贈与で,被相続人の配偶者がその被相続人からの贈与について過去に贈与税の配偶者控除の適用を受けたことがない場合,贈与税の配偶者控除の適用があるものとした場合に,控除される金額に相当する部分(一定の手続きを行った場合に限る)
2)相続時精算課税制度の適用を受けて,被相続人から贈与を受けている場合(相続税法21条の15第1項)。
なお,上記により相続財産に加算された生前贈与の額から,債務控除の額を差し引くことはできないと解されています。

(8) 遺産に係る基礎控除
相続税の税額の計算においては,上記@からFまでによって計算した相続税の課税価格から,基礎控除額(5000万円+法定相続人の数×1000万円)が差し引かれます(相続税法15条1項)。

ここでいう「法定相続人」の概念は,「課税遺産総額の配分」における法定相続人の概念と同様であり,推定相続人につき相続の放棄,相続欠格事由ないし廃除があった場合にも,それらの事実はなかったものとして法定相続人が決せられます。

ただし,この場合の法定相続人の数に被相続人の養子を加える場合は,その数は被相続人に実子がいる場合は1人まで,実子がいない場合は2人までに限定されます(同2項)。
なお,法定相続人の数の計算においては,以下に掲げる養子は実子とみなされます(同3項,相続税法施行令3条の2)。

 A 特別養子縁組により被相続人の養子となった者
 B 被相続人の配偶者の実子または特別養子縁組による養子であって,被相 続人の養子となった者(いわゆる「連れ子養子」)
 C 被相続人の養子となっている代襲相続人
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